早馬速度不変の法則
我々にとって時間の相対性とは理解しがたい概念です。特殊相対性理論の真実を明らかにする
(悪く言えば正体を暴く)ために、「早馬速度不変の法則」なるものを考えました。
情報伝達手段を光(電磁波)とはせずに、日常的速度である100キロメートル/時(早馬)
であるとし、この早馬だけが情報伝達手段であって、何物も100キロメートル/時を越え
ることはできない世界での運動系と静止系の相対性を考えます。1000年程前の中国や中東
の大帝国を想定します。
まだ携帯電話などはおろか自動車も無く、良く訓練された(定速で走る)早馬だけが遠隔地
との情報伝達手段であるという想定です。運動系と静止系を考えると、お互いの時間の
遅れ、距離(長さ)の縮み、同時刻の崩壊などが起こるのです。(因果律は崩れません。)
前置きとして、物理学とは・・・のうんちく。
人間は音や光で物体や他者からの情報を受け取っています。物理学では光(電磁波)で観測
や実験の情報が伝えられます。光速度は非常に高速ですが有限ですので、光速に匹敵する速度で
運動する物体(粒子)や天体、遙か彼方の天体の実験や観測には、「実は光速とは有限
な速度であった。」ことを意識する必要があります。
1000年程昔、中東に大帝国が栄えていました。100メートル位までの距離は音声
で通信できましたが、遠距離とは馬による通信書(メール・手紙)の送信だけが唯一の
情報伝達手段でありました。通信書を運ぶ馬は「早馬」と呼ばれて時速100qで走る
ように訓練されていました。そして時速100qを越えるものは何もありませんでした。
中東の大帝国(ムア帝国)の首都ムアから時速50qで馬車(極地遠征隊)が出発
したとしたとします。首都ムアからは極地遠征隊に向けて毎時(1時間おき)に通信
書を早馬(速度100q)で送ります。また極地遠征隊からも早馬で通信書を
送っています。ムア帝国の時計技術は優れていて、現在の腕時計に匹敵する精度
を持つ時計が使われていて、極地遠征隊の時計は出発時に首都ムアの時計に
合わせてあります。
首都ムアから極地遠征隊の出発後1時間、一通目のメールが首都ムアから極地
遠征隊に向けて送られました。
「只今、貴極地遠征隊出発式典の片づけが終了。只今の時刻1:00。 首都ムアより。」
極地遠征隊はこのメールを極地遠征隊の時計で時刻2:00に受け取りました。そして
「一通目のメール受け取りました。只今の時刻2:00。 極地探検隊隊長より。」
なる返事を送りました。
首都ムアから極地遠征隊の出発2時間後、二通目のメールが首都ムアから極地
遠征隊に向けて送られました。
「高速馬車の調子は如何に。約束通りに1時間おきにメールを送っている。只今の
時刻2:00。首都ムアより。」
極地遠征隊はこのメールを極地遠征隊の時計で時刻4:00に受け取りました。そして
呟きました。「1時間おきにメールを送っているなんて嘘だな。一通目のメールを受け
取ってからもう2時間経っているぞ。」 そして
「我ら極地遠征隊は2時間おきにメールを受け取っている。約束通りに1時間おきに
送って頂きたい。我らはきちんと1時間おきに送っているのです。只今の時刻4:00。」
というメールを送りました。そして部下に「首都ムアの奴らは何を血迷っているのか、
それともどちらかの時計が壊れているのか。」と愚痴をこぼしました。
部下はしばらく机で紙に何か書いていましたが、やがて、にやりとして、
「これは相対性原理という現象です。我々遠征隊と首都ムアではお互いに時間が
異なっているのです。時刻が遅れて通信文を受け取るだけではなくて、時間間隔
も互いに伸びて見えるのです。我々から見ると首都の時間はゆっくりに見えるのです。
我々の2時間とは首都では1時間なのです。首都ムアの人々も「「極地遠征隊の隊長
は気がふれたらしい。自分が2時間おきにメール送っておきながら我々が約束を守
っていないなどと書いているぞ。」」 といっているでしょう。」 と言って隊長に数式を
見せました。そして隊長に説明しました。
X=vt
t’=t+X/(h−v)
(t’2−t’1)=(t2−t1)(1+v/(h−v))
ここで’を付けた方が観測者が観測する数値、vは速度、hは早馬の速度(100q/時)
です。hの値は不変で、且つ万物の最高速度です。
我々は現在50q/時ですから、我々にとっては首都の時間間隔は二倍になるの
です。我々から見ると首都は50q/時の速さで遠ざかっているので、動いている
世界は我々から見ると時間が遅れるのです。逆に首都ムアから見れば我々が遠ざかって
いるので、我々の2時間が1時間として観測されているでしょう。ややこしいですが、
我々が1時間おきにメールを送っても、首都ムアではそれらを2時間おきに受け取る
のです。
早馬によるメールから判断する限り、首都の離れた二地点で同時に起こった事柄
も、我々にとっては同時ではありません。
早馬よりも早い物は存在しませんから、因果律が崩れて観測されることはありません。
首都ムアを敵国が奇襲するとの早馬によるメールが、首都ムアが敵国の奇襲で大被害
を受けたというメールよりも早く我々に届くことはありえません。因果律が崩壊してしまい
ますから、何物も早馬の速度を超えることは絶対にありません。
首都ムアの諜報部が「敵のアジトを発見。たった今、二時間後に爆発する時限爆弾を
仕掛けた。二時間後、敵の集会中に爆発する予定。爆発後に成果を直ちに報告致します。」
なるメールを我々極地遠征隊が受け取っても、我々は時限爆弾による成果報告を受け
るのは、そのメールの四時間後なのです。
敵国が早馬速度h(100q/時)を越える性能を持つ巨大投石機を建造中なる情報
もありますが、我がムア帝国に早馬速度不変の法則がある限りは、そのような投石機は
不可能でしょう。
解りますか、隊長殿。
後書きとして、物理学とは・・・のうんちく。
物理学は物体の観測や実験の結果を説明し、また予測します。我々の疑問「なぜ」
に答えます。観測や実験の結果を説明しまた予測し、我々の「なぜ」に答える理論
であれば、「正しい」又は「有用・有益な」理論です。技術(実利)への適用・応用
が大きければ、もっと正しくて有益な理論と成り得るでしょう。
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