Flight Report Stop Over at Antarctica

フライトレポート <南極途中降機>




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12月19日
  今日は朝からティエラ・デル・フエゴ国立公園を見学。
かなり広い公園で、南極ブナの原生林が広がる。
インディオのパンといった珍しい植物も数多く見られる。
ビーバー・野鳥・野うさぎ等の野生動物も数多く見られた。
ビーグル水道(川といった感じ)の対岸にみえる陸地はチリ領だ。

その後夕方4時頃、いよいよ南極へ向かうアカデミック・イヨッフェ号(ロシア船籍)に乗り込む。
総トン数6231t、元ロシア極地海洋調査船、もちろん耐氷船だ。船長はニコライ・アペクティン。
世界最果ての地を長い汽笛とともに夕方4時頃出港。


ブリッジにて

ビーグル水道を進む。船内ではスタッフ紹介、安全のためのレクチャーなどが行われる。 エクスペディションリーダーはブラッド・リース。 参加者はアメリカ・カナダ・ヨーロッパなどから総勢71名。 日本人はボクを含め4名。 そのうち2人は沖縄は名護に住んでいる人で、ブラジルの永住権を持ち南米をぶらぶら 歩いてまわっているという親子だった。 この後は飛行機のチケットが取れればヨーロッパに行くという。うらやましい。 その他に英語しかしゃべれないようだったが、明らかにアジア系とわかる人たちも5名ほどいた。 うち2名は返還時の香港からカナダへ移住した夫婦だとか。。。 こんなところで香港返還を身近に感じるとは。 また、日本語をしゃべる(もちろんカタコトの単語)人も二人ほどいた。 一人はルイス・ガルシアおじいちゃん。テキサスから来たそうだ。 戦後間もなくの頃(ということは進駐軍か?)日本にしばらくいたそうである。 もう一人はジョン・ワットおじいちゃん。 こちらはルイスおじいちゃんに比べると稚拙だが、それでも結構単語を知っていた。 レクチャーのあと部屋へ戻って荷物を解く。 部屋の広さは狭いホテルのシングルルームくらいか。 トイレ・シャワーが区画され、同一空間を占拠。 よって、シャワーを浴びると洗面台はもとより便器までびしょ濡れという状態である。 その他に机が1つ(共用)、冷蔵庫・収納庫、ベッド(また一段と小さく狭かった)。 それからイザというときのための救命胴衣収納庫。 そこに2〜4名が寝泊まりする。 船内の設備は、図書室・サウナ・プール(使用不可だった)・医務室・売店(時間限定)など また、ブリッジは原則として24時間見学可能だった。 夜半にはドレーク海峡に出たようだ。船が揺れはじめる。


12月20日 この日はドレーク海峡を横断。船内では様々なレクチャーが行われるが、 こんなに揺れてはどうにもならない。 2コマ出るが、あとはベッドでダウンする。。。。。 しかしながら食事はしっかりいただかなければ。。。 供食については、朝6時半からコーヒー・紅茶のサービス 続いて朝食(アメリカン・ビュッフェ方式) お昼にはもちろん昼食があって、夕方4時頃おやつ。 夜は8時頃からディナー(ちゃんと肉・魚・ベジタリアンから選択できた)。 その他にバーカウンターがあり、随時営業。(ハッピーアワーもあった。) こんなわけで、食べ物には、お酒を含めてあまり困らないようだ。(値段は別の話・・・) ちなみにレクチャーの内容は、南極の生物(鳥・海獣・鯨等)についてや、 南極の地学的講義、南極探検の歴史など。


12月21日 この日もドレーク海峡を横断。船内では様々なレクチャーが行われる。 しかし、午後には南極海へ入り揺れもおさまる。 夕方には最初の上陸地点、リビングストン島のハンナ・ポイントへ。 ゾディアックという、ゴムボートの親分のようなもので上陸地点へ向かう。 ここではジェンツーペンギン、チンストラップペンギンのルッカリー(集団で作る巣)、 アザラシのハーレムなどが見られる。 ペンギンは巣を作り卵を抱いていた。 それにしてもペンギンの仕種はユーモラスである。 ちょこちょこと歩いては、何をしようとしていたのかを忘れたように、 突然立ち止まってキョロキョロしたり 雪の穴(我々が長靴で開けた穴)でコケて顔面から雪に突っ込んでみたり・・・ また、どうしたわけか上記のペンギンのルッカリーの中にマカロニペンギンが3羽いた。 そしてアデリーペンギンが1羽迷子になったかのようにウロウロしているのが印象的だった。 そして夜は、簡単なロシア語講座があった。


12月22日 この日の午前中は、エレラ海峡にあるキュヴァービル島に上陸。 ここはほとんどジェンツーペンギンのみでルッカリーを作っていた。 それにしても臭いがすごい・・・ ところかまわずフンをする、それも1〜2mは飛ぶため、うかうかしていたら引っかけられてしまう。 午後はポート・ロックロイへ。 ここはイギリスの元基地であり、昔の観測機具・様子などを展示していた。 また、お土産物を売る売店もありTシャツやスウェット・ピンバッチなどを売っていた。 その上、ここからは郵便物も出せる。 建物の外にはジェンツーペンギンが小さなルッカリーを作っていた。

ポートロックロイにて

ディナーは船上でバーベキューパーティ。 あいにくとローストペンギンはなかった。(^o^;)


12月23日 この日の午前中はピーターマン島へ上陸の予定だったが、 氷のコンディションが悪くキャンセル。 そのかわりゾディアックによるクルージングで氷山などを間近に見学。 氷の上に寝転ぶアザラシや氷山の上に立つペンギンなども見ることができた。

氷の上でごろんの図

それにしても南極の氷というのは青い。。。 クリスタルな氷(氷河から流れ出たものが、何年もかけて溶けたのだろう)を 船へのお土産とする。

氷山の元となる氷河

午後はいよいよ南極大陸への上陸だ。 パラダイス・ベイというところに上陸。 ここにはアルミランテ・ブラウン基地というアルゼンチンの基地がある。 ここでもTシャツやバッチなどを売っていた。 たまたまスペインからの観測隊が来ていたが、ヤツらは基地裏手の山で ビニール袋をソリにして遊んでいた。 ボクも新雪の上で雪まみれになって遊ぶ。ガキの頃以来だ。 このあとはゾディアックでクルージングしながら南極の自然ならびに生物を見学しながら船まで戻る。

流氷の中を行く

戻った後は早速バーに行き、南極の氷(午前中のクルージングのお土産)でカクテルを飲む。 氷が溶けるにつれ、パチパチとかすかな音を立てながら何万年も昔の空気が蘇生してくる。 古代のロマンを感じながら大自然の中(と言っても正確には船のバーの中ではあるが・・・)で 飲むカクテル。。。。感動!


12月24日 今日はデセプション島ホエーラーズ・ベイへ上陸。 この島はかつてはイギリスやチリの捕鯨基地もあったところだが、 火山活動により基地は壊滅的被害を受けたところだそうだ。 その火山活動のため、海岸から温泉が湧き出している。 上陸地点もかなり暖かい温泉だった。 中には水着持参でこの温泉に入る人もいるようだ。 まわりの景色は火山岩と火山灰、火山の噴出物に半分埋まって朽ち果てている建物。。。 動物の姿はジェンツーペンギンとチンストラップペンギンが1羽づついただけだった。 ランチと講義の間に移動し、夕方からの最後の上陸地点 南シェットランド諸島のアイチョー島へ向かう。 ここもジェンツーペンギンとチンストラップペンギンがルッカリーを作っていた。

ペンギンのルッカリー(ヒナもいるよ)

ここはかなり北の方なので暖かいのだろう、ハンナポイントのペンギンと違い かなりの雛が孵化していた。ピーピーと鳴く声があちこちで聞こえた。

海辺のペンギンの図

高いところから海へよたよた歩いているペンギンではあるが、 雪の上では例のお腹を下にして滑り降りる姿を見せてくれた。

海辺のペンギンの図(その2)

しかし、登るときはよたよたよろよろ。。。時々コケている。 そうかと思うと水の中では弾丸のように泳ぐし、水面でジャンプもする。 しかし、中には海から上がるとき、やはりコケるペンギンも多い。 まったく見ていて飽きない。

海辺のペンギンの図(その3)

一方ではアザラシがごろんごろんと砂浜にかたまって寝ていた。 ヒレでからだに砂をかけながら。 船への途中氷山の上にたたずむペンギン数羽。 中に今回あまり見られなかったアデリーペンギン発見。 なんとなくアデリーははぐれ者が多いような感じがする。 この夜はクリスマスパーティがあった。 パーティといっても、船倉の一室でお酒を飲みながら音楽をガンガンかけ 踊り狂うといった類のものだ。 船はドレーク海峡にさしかかり、揺れはじめている。 しかし、酒飲んで踊っていれば多少揺れようが関係ない。 船酔い防止にはいいかもしれない。 いいおっちゃん(もうおじいちゃんといった方が正しいかも。。。)も踊っている。 アメリカ人と言うやつは。。。。(その他の国の人々もいたが、アメリカ人が圧倒的) この場でコミカルダンスを披露したら、なぜかウケていた。 (特にワシントン州から来た女の子と、ベルギーから来たおじさんに特にウケていた。) 今ごろは世界各地で踊られている。。。。かもしれない。(^o^;)


12月25日 船は南極海を離れドレーク海峡へ。船内ではレクチャーとか、船内見学が行われている。 そろそろ氷山ともお別れだ。

夕闇に浮かぶ氷山(とはいえ、時間的には夜中)

あいかわらずドレーク海峡は揺れている。 レクチャーはサボり、一日中寝ている。。。。(^o^;;)

この日、こんな南極大陸上陸証明書をもらった




12月26日 ドレーク海峡もそろそろおしまいかといったところで鯨が見えるとの情報が入ってきた。 フィン・ホエール(ながす鯨)だという。3頭ほど見えた。 潮を吹きながらゆうゆうと泳いでいる。 船もサービス(良く見えるように)でしばし鯨に付き合って進路を変えていた。

潮を吹きながら泳ぐクジラ

今度はドルフィンだという声にスターボード(右舷)を見る。 確かに4〜5頭船に寄り添うように泳ぎながら時々ジャンプしている。 妙に鼻先が短いなと思ったが、あとで聞いたらちいさなシャチだったようだ。 夕方から夜になって(といってもかなり明るいが)ケープ・ホーンが見えてきた。 この夜は船長主催のディナーパーティ。 そして明日の朝7時にはウシュアイアに到着である。

小雨に煙るウシュアイアに到着

世界の果ての向うから、世界の果てまで戻ってきた。


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