風吹岳
かざふきだけ 1888m長野県小谷村〔1/25000地図〕白馬岳〔三角点〕無し
フスブリ山ふすぶりやま 1944m
20050626(日)晴れ 画像はここ ここに置きました。

久しぶりの風吹岳である。前回は北野からのコースを登った。今回は、藤三郎といわれる登山口である。 地形図に破線があることから、こちらの方が古い登山道のようである。 先日、風吹温泉に入ったときに「風吹岳山開き」の張り紙があり、それが今日であることは知っていた。 参加すれば、登山口まで送迎してもらえるのだろうが、出発時間が遅くなる。 私としては未登の山「フスブリ山」まで行きたいので、自家用車で行くこととした。

【道順・駐車場】
道の駅「おたり」から風吹温泉「風吹荘」を経て、「風吹岳登山口」の道標にしたがって道なりに行く。 舗装道だが急斜面のS字道である。やがて、 土沢林道への分岐があって、ここに道標がある。 ここでカモシカに出合った。 林道「土沢線」からは未舗装となり、先に行くほど荒れた道となるので注意。 林道の終点が登山口。15台くらいの駐車場がある。県外ナンバーなどすでに10台がとまっていた。 道標あり。トイレはありません。
【コースと時間】
登山口7:25→7:45地形図の温泉マーク地点→8:40水場(緑の源水)→9:00一服9:05→9:40風吹山荘9:45→ 風吹天狗原→10:05蓮華温泉分岐→ 10:40フスブリ山10:45→11:15蓮華温泉分岐→11:35風吹池11:40→11:55風吹池周遊道分岐→12:10風吹山12:20→ 12:50風吹山荘13:15→13:55水場→14:25温泉?14:45→14:55着

今日も暑くなりそうだ。水は1.5リットル持参。 ブナ林の登りから始まる。見事なブナが多い。 沢と沢の間の狭い尾根道となる。温泉でもあるのか硫黄の臭いがしてきた。 右下の沢の川底が白い。登山道から見えてる場所は丸く、人の手で作られた湯船のように見える。 温泉が出ているようだ。そこに行く道はない、とこの時は思った。 川底の白い個所は川の一部分だけに見えた。 早くも下ってくる数人に出会う。山荘までの間に六人。上で泊まった人達のようである。 道にザックがあって人の姿が見えないのは、ネマガリダケを採りにヤブに入っている人。 入山者の少ない山だ、 ちょっと道の脇をのぞけば、いくらでもネマガリダケが採れそうである。 道の駅などで売られているが、一束600円くらいと結構高い。 急坂が続く。左山腹道になると日が当たる。ミズバショウも見るようになる。 「緑の源水?」なる水場があった。風吹岳の水だ、帰りに一口、まろやかな味がした。 急坂続く。登山道にダケカンバやシラカバを見るようになる。 気温も上がる、一気に登る元気なく。一服とする。

小さな残雪。道に沿ってミズバショウ。踏まないように注意。平坦となって木道。 北野コースからきた人に出合い、そこに見覚えのある風吹山荘があった。 山荘から木道を行くと風吹大池がある。北アルプスでは白馬大池に次ぐ二番目に大きい池である。 鐘があるので記念に一突き。 風吹岳は後回しにして、池から木道を天狗原・白馬大池方面に向かう。 土留め階段を登ると風吹天狗原といわれる草原が広がる。 木道のある草原にはチングルマ、ワタスゲ、フデリンドウが咲いていた。 しばらくは木道の道。 ここから先は緩やかな道になる。ところどころに残雪が少々。ミズバショウはいたるところに咲いている。 天狗原、白馬乗鞍岳方面が見えてくる。残雪の足跡は、1.2日前に天狗原方面からきたと思われる人の足跡。 それと、気になるのは丸いへこみの跡。今日のものではないが、クマかも。と思える。一人で歩いていると どうしてもそんな風に思ってしまうのである。鈴を肩に打ち付け、ホイッスルを鳴らしながら歩く。 フスブリ山の地点まできたが、山頂への道はないようだ。ピークハンターも立ち寄らない、ただ通り過ぎる山のようだ。

ここからは下りになるが、もしかして位置が違っているのかも知れない。先まで行って確かめる気はないし、 人の踏み跡だよりの私としては、密集したネマガリダケのヤブ漕ぎをする気にもなれない。 ここでUターン。「天狗原〜風吹大池:2/11」の道標のあるところだ。 この山は、昔から山麓の猟師たちのクマ狩りの場として知られて、かっては蓮華温泉や雪倉銀山への物資輸送の 道でもあったそうである。 池のところまできたところで、山開きに参加した数十人の人達が集まっていた。 お神酒をまわして、これから乾杯をするところだった。 私にも紙コップとお神酒が渡された。雨が降らないので山開き兼雨乞いとのこと。 雨の降ることを念じつつ大声で「乾杯」。酒を飲んだのは久しぶり。おそらく顔は赤いだろう。 山荘のところでタケノコ汁も振舞われるとのこと。 山頂に向かう。風吹池の淵を行く。池周りはシラネアオイが見頃 となっていた。 池一周の道から右に折れ、山頂への登りになる。もう、下ってくる人の方が多い。 距離は短いがコースで一番の急坂である。以前も登っているが、こんなに苦しくはなかったようだ。酒の せいもあるのだろう。

土留めの階段道を大息をしながら登った。 山頂には東屋。三角点はない。六人の先着者。 一方向だけ開けているがガスで何も見えず。晴れていれば雨飾山が見えるとのこと。 先着の人達は、池を一周すると言って下っていった。誰もいなくなった。 この山の近くに横前倉山、岩菅山、箙岳(えびらたけ)がある。登る前は、登山道があるか確かめてみたい、 登るかも知れない、なんて思っていた。が、もう疲れて、そんな気は失せてしまった。 (案内図では横前倉山までは行けるように書かれている) 池のところで、これから登る数人に出会う。 風吹山荘の前で昼飯とする。食うものは全部食べて荷を軽くする。オニギリ、リンゴ、ヨーグルトなど。いつものメニュー。 山荘のところで話した二人から「川の中に温泉があるらしいが、知っているか?」と聞かれた。 「硫黄の臭いがして、川底の白いところがあったが、もしかしてそれではないか。でも道はなかったようだ。 帰りに確かめてみますか」てな会話。この二人と一緒に下った。二人は時々ヤブに入って タケノコ採り。山開きの今日、この山に登った人のうち、帰りの方が荷が重くなった人もいたであろう。

川底の白い、その地点まできて、良く見ると登山道からトラロープがたらされている。 しかも、地形図に温泉マークも記載されているではないか。「記念に入って見るかね」と、一人は気があったようだが、一人は反対。 結局、二人は下ってしまった。温泉マークにたらされたロープ、このロープは温泉に入るために付けられたロープに違いない。 案内はないが「秘湯中の秘湯:野湯中の野湯」ではなかろうか、近いので入って見ることに決した。 急斜面だが、ロープがあるので危険はない。沢に降り立つ。手を入れてみたが川の水は冷たい。 雪解け水が流れ込んでいるのだから、冷たいのは当然だろう。が、 対岸側なら、いくらか温かみがあるかも知れない。ここまで来たんだから、とりあえず入るだけでもと意を決した。 上を登山者が通ったが下を見る人はいなかった。下る地点は低木に隠れ、注意していないと、気づかない。 素っ裸になって入湯だ。いや冷たいの何のって、すぐに足先が痛くなった。対岸側もまったく同じ。全然温かみは感じられない。 一応「入った」と自己満足できるのは肩までつかることである。 「ざぶっ」とつかってすぐに出た。足先が痛い。ものの10秒で撤退である。足先は痛いが、身体は急速冷却でスッキリした 感じである。行水みたいなもんである。

真冬に滝に打たれる修行僧は「すごいもんだ」とつくづく感じた。 ここよりも上流に行けば、温泉の噴出し口があるのかも知れない。上から見た限りでは、 川底が白くなっている個所はそれほど広くない。水量は多くないが、岩ゴツの川底を 裸足でさかのぼるなんて絶対無理である。靴をはいてから、行って見たい気持ちもあった。 が、先が分からないのに行ってみたら、やはり「冷たかった」ともなりかねない。結局、中止の賢明な判断となった。 温泉成分は含まれているようで、タオルは温泉入浴後と同じ臭いがした。 下山後、開山祭に参加した人の話では「岩のあちこちからしみだしているだけで、熱い温泉ではない」とのことでした。 が、あのロープが気になる。八月、真夏なら、川での水遊び感覚で「冷泉」として気持ち良い入浴ができるのでは なかろうか。家に帰ってからこの「温泉」をインターネットで検索してみたが、何の情報もなかった。 どなたか、この温泉に入られた方、情報をお持ちの方がおられましたら、掲示板に書きこみをお願いいたします。 ネットには「秘湯:野湯」ハンターのホームページもある。野湯ハンターの皆さん、一度入りにきてみてはどうでしょうか。 登山口からは近いので、その気になれば入れますよ。温泉名は「藤三郎温泉」ということで良いかと思います。

花はミツバツツジ、ギンリョウソウ、ゴゼンタチバナ、マイズルソウ、イワカガミ、チゴユリ、ミズバショウ、 キヌガサソウ、エンレイソウ、シラネアオイ、ゴゼンタチバナ、 ツバメオモト、オサバグサ、ミヤマカタバミ、フデリンドウ、チングルマ、ショウジョウバカマ、 ミツバオーレン、コバイケイソウ、ドウダンツツジなど。

【温泉】
白馬村 岳の湯 \400

【追記】
私は「藤三郎温泉」と書いていますが、1989年版:山と高原地図:旺文社には「冷鉱泉」と記載されていました。 沢の名前は「クセエ沢」といい、硫黄の臭いがすることからつけられたようです。冷鉱泉は各地にあるようですから 、区別するために「クセエ沢冷鉱泉」ということとしました。 (20051111)


北野コース(19990705)からの記録はこちらです。
index